ずっとリアルに覚えておきたい
なんか、今日のゆきちゃんかわいいな
直視できんわ
と、急に言うから
今日のってどういうこと
と、言いながらも
嬉しいなー
やっぱり前髪切って良かったー
と、思っていたのに
そうそう、このゆきちゃんが
めっちゃかわいいんよ
と、見せてきたのが
前髪長かった頃の、
わたしの中ではあんまりすきじゃない
わたしの写真だったから笑った
こんな他愛ないやりとりが
とんでもなくいとおしかった
会うたびに
想いが強くなっていくけど
同時に どんどん自信がなくなっていく
たくさん撮ってくれる写真を見て、
自分の醜さにがっかりして
心から申し訳なくなる
ひとつひとつ、先に進んでいくごとに
ああ今日で終わるかもしれない、と思ったら
泣きそうになる
知られれば知られるほど、
クオリティの低い
つまんないひとっていうのが
ばれていくのがこわくて
泣きそうになる
いつ捨てられるだろうと思いながらいるのは
あのときとまったく同じで
でもそれでも、求められているあいだは
せめてこのときだけは
このつかのまのひとときを
楽しませてもらおう、って思う
もうすっかりあきらめていた2020
わたしの20代ラストイヤーが
最後にこんなに楽しいものになるなんて思わなかった
ただひたすら
ありがたくて嬉しくて、
きっともう二度と味わうことのないであろう
こんなしあわせな気持ち、この感覚を
ずっとリアルに覚えておきたい